1日何歩歩けば、健康にちょうどいいのか。
散歩を始めようとすると、まず気になるのが歩数です。よく聞くのは「1日10,000歩」。けれど、毎日そこまで歩こうとすると、少し大変に感じる日もあります。
結論からいうと、成人ならまずは1日7,000〜8,000歩前後を目安にすると現実的です。65歳以上の方は、1日6,000歩前後がひとつの目安になります。
ただし、これは「毎日必ず達成しなければいけない数字」ではありません。普段あまり歩かない人なら、まずは今より1,000歩増やすくらいからで十分。
健康のための散歩は、がんばりすぎないほうが続きます。数字は目安にしつつ、自分の体力やその日の調子に合わせて歩くくらいがちょうどいいところです。
この記事の結論
成人は1日7,000〜8,000歩前後、65歳以上の方は6,000歩前後がひとつの目安です。
ただし、普段あまり歩かない人は、まず今より1,000歩増やすところからで十分。10,000歩は「よく歩いた日」の目標として考えると続けやすくなります。
1日何歩が健康的?まずは目安を確認
先に、歩数の目安を整理しておきます。
| 目的・状態 | 歩数の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| ほとんど歩かない日が多い人 | 今より+1,000歩 | 10分前後の散歩から始める |
| 気分転換したい日 | 3,000〜5,000歩 | 近所をひと回りするくらい |
| 健康習慣として続けたい人 | 7,000〜8,000歩 | 成人の現実的な目標 |
| 65歳以上の方 | 6,000歩前後 | 無理なく安全に続ける |
| よく歩く日・街歩きの日 | 10,000歩前後 | 達成できたら十分よく歩いた日 |
10,000歩は悪い目標ではありません。ただ、すべての人が毎日そこを目指す必要はないと考えてよさそうです。
歩数は、年齢や体力、普段の活動量によってちょうどいい目安が変わります。まずは「自分の今の歩数」を知るところから始めると、無理のない目標を立てやすくなります。
健康づくりの目安は、成人で1日8,000歩
厚生労働省の健康づくり情報では、健康日本21の目標として、成人は1日8,000歩、高齢者は1日6,000歩が示されています。これは「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で示されている個人向けの歩数の推奨値とも一致しています。
ここで大事なのは、これは「散歩だけで8,000歩」という意味ではないこと。
通勤、買い物、家事、駅までの移動、階段の上り下り。そうした日常生活の歩きも含めた合計です。
たとえば、普段の生活で4,000〜5,000歩くらい歩いている人なら、追加で20〜30分ほど歩くと7,000〜8,000歩に近づく日があります。駅前を少し遠回りする。買い物の前に公園をひと回りする。ひと駅分だけ歩いてみる。
「運動するぞ」と構えなくても、生活の中に少し足すだけで届く数字です。
7,000歩でも、健康には十分意味がある
「8,000歩も歩けない日は意味がない」と考える必要はありません。
近年の研究では、7,000歩前後でも健康へのよい影響が期待できるとされています。もちろん、歩数が増えるほど健康との関連は見られます。ただし、10,000歩を超えないと意味がない、というわけではありません。
むしろ、普段あまり歩かない人にとっては、2,000歩から3,000歩へ、3,000歩から4,000歩へ増やすことにも意味があります。
歩数は、いきなり理想に届かせるものではなく、少しずつ増やすもの。そう考えると、散歩のハードルはかなり下がります。
10,000歩は「よく歩いた日」の目安でいい
10,000歩は、今でも分かりやすい目標です。
街歩きや公園めぐりをした日、イベントに出かけた日、買い物であちこち歩いた日なら、自然と10,000歩を超えることがあります。そういう日は、かなりよく歩いた日と考えてよいでしょう。
ただ、仕事の日や雨の日、体調がすぐれない日まで、毎日10,000歩を目指すと少し負担になります。
歩ける日は10,000歩。ふだんは7,000〜8,000歩。疲れている日は3,000〜5,000歩でもよし。
そのくらい幅を持たせておくと、歩数がプレッシャーになりにくくなります。
普段あまり歩かない人は、まず今より1,000歩増やす
在宅勤務の日や、家で過ごす休日は、思った以上に歩数が少なくなります。スマホの歩数計を見たら、1日2,000歩台だったという日も珍しくありません。
その状態から、いきなり8,000歩を目指すと疲れやすくなります。足裏、膝、腰に負担が出ることもあります。
まずは、今の平均歩数を見てみる。そのうえで、1日1,000歩だけ増やす。
厚生労働省の「アクティブガイド2023」でも、今より10分多く体を動かす「プラス・テン」が紹介されています。1日60分の身体活動の目安として8,000歩、65歳以上では1日40分の身体活動・6,000歩が示されています。
1,000歩は、時間にするとだいたい10分前後です。
近所をひと回りする。少し遠いコンビニに行く。駅までの道を一本遠回りする。そのくらいで届きます。
小さく増やせる歩数は、続けやすい歩数でもあります。
歩数だけでなく、座りっぱなしを減らすことも大事
健康のためには、歩数だけでなく「座りっぱなしの時間を減らすこと」も大切です。
たとえば、1日8,000歩歩いたとしても、それ以外の時間をずっと座って過ごしていると、体は固まりやすくなります。反対に、歩数が少ない日でも、こまめに立つ、階段を使う、家の中で少し動くなど、小さな動きが積み重なれば体は動きます。
厚生労働省のガイドでも、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意し、30分ごとなどに座位行動を中断して少しでも体を動かすことがすすめられています。
散歩は、まとまった時間でなくても大丈夫です。
朝に5分、昼に10分、夕方に15分。細切れでも、歩いた分はちゃんと積み重なります。
歩く速さは「少し息が弾む」くらいが目安
歩数と同じくらい、歩く速さも少しだけ意識したいところです。
健康づくりとして歩くなら、だらだら歩くだけでなく、少し息が弾むくらいの速さを入れると運動量が上がります。ただし、息が苦しくなるほど速く歩く必要はありません。
目安は、会話はできるけれど、少し呼吸が深くなるくらい。
体力に不安がある人は、最初から速歩きをしなくても大丈夫です。まずは普通に歩く。慣れてきたら、信号から次の角までだけ少し早めに歩く。
そんな取り入れ方でも十分です。
足腰に不安がある人は、歩数より安全を優先する
膝や腰に痛みがある人、持病がある人、運動制限を受けている人は、歩数の目標をそのまま当てはめないほうが安心です。
特に、急に歩数を増やすと足腰に負担が出ることがあります。痛みがある日は無理をしない。坂道や階段が多い道は避ける。疲れたら座れる場所を入れておく。
歩数を増やすより、安全に帰ってこられることのほうが大切です。
不安がある場合は、医師や理学療法士などの専門家に相談しながら、自分に合う歩き方を決めると安心です。
生活の中で歩数を増やす小さな工夫
歩数を増やすために、特別な運動時間を作らなくても大丈夫です。
たとえば、こんな工夫があります。
- 買い物の前に、店のまわりを少し歩く
- 駅やバス停をひとつ手前で降りる
- エスカレーターではなく階段を少し使う
- 昼休みに5〜10分だけ外へ出る
- 公園を目的地にして、ベンチで休んで帰る
- 雨の日は商業施設や駅ビルの中を歩く
- スマホの歩数計を見て、昨日より少しだけ増やす
どれも小さなことですが、歩数はこういう細かい動きで増えていきます。
「散歩に行く」と決めると少し面倒な日でも、「少し遠回りして帰る」ならできることがあります。
まとめ:健康的に歩くなら、まず7,000〜8,000歩を目安に
1日何歩歩くのが健康的なのか。
成人なら、まずは7,000〜8,000歩前後。65歳以上の方は、6,000歩前後がひとつの目安になります。
10,000歩は、歩けたらうれしい数字です。でも、毎日の義務にしなくても大丈夫。普段あまり歩かない人なら、まずは今より1,000歩増やすところから始めるほうが続きます。
大事なのは、完璧な歩数を毎日こなすことではありません。
近所を少し歩く。駅までの道を遠回りする。買い物の前に公園をひと回りする。そういう小さな歩き方を、生活の中に少しずつ増やしていくこと。
健康のための散歩は、がんばりすぎないくらいがちょうどいい。数字は目安にしつつ、自分の体力と気分に合わせて、無理なく続けていきたいところです。
※この記事は一般的な健康情報をもとにした内容です。持病がある方、足腰に痛みがある方、運動制限を受けている方、体調に不安がある方は、無理をせず医師や専門家に相談しながら歩く量を調整してください。
